『勝負の夏』
高校最後の夏、僕等は学園祭のステージに立った。
思い思いの衣装に身を包み、これが僕等のスタイルなんだと胸を張り、
深呼吸を一つ、
観客を見渡した。
言葉では云い表すことなど出来ない感情が込み上げ、
僕等は演奏に夢中になった。
マイクを握る手も
ギターを弾く指も
ベースを奏でる指も
リズムを刻む音も
何だか夢見てる様で、全てが快感に突き抜ける。
僕等の音楽。
やっと見つけた居場所と終着駅。
ここから始まる、僕等の未来。
やっぱり捨てられない。
遣りたいことを遣る。
最後の賭けだ。
進路はただ一つ。
バンド。
僕等の誇りだ。
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