『最後の夏』
放課後、先公に二者面談で進路指導室に呼び出された。
最初から分かってたけど、先公が僕の遣りたいことを応援してくれるはずもない。
また怒鳴り合って、飛び出して。
進学とか、就職とかウザくて溜んない。
結局、何か嫌なこととかあると、ここ屋上に足が向かうんだよな。
僕等の居場所。
小さな傷を背負ったまま、何も見付けられず。
音楽だけは信じられた。
「学園祭ライブ?」
耳を疑った。
僕等のライブ。
高校最後の夏に。
最後だからこそステージへ立つ決意。
色褪せて居た風景が急に色付いた。
高揚。
昂ぶる気持ち。
抑え切れなかった。
最後の夏。
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