春風 使い古した靴眺めては 小さい頃の記憶を 良く思い出しながら あの大好きな曲を聴いていた 俺の親父の背は大きく 散歩に引く手は温かく 僕の泥んこになった服を 睨みつけながら 頭をぐしゃぐしゃに撫で返した 「またママに怒られるぞ」 断ち切れない思いを引き摺りながら・・・ 何年経っても変わらないその容姿(スガタ) 抜け出した家を振り向きながら走った 「もう俺は大人になりました」 雛鳥の様に拙いながらも 一つ一つを文字にした 初めて親へ書く手紙 時を越えて届いた返事に 真面目に綴られた言葉が 俺を叱っているかの様でした 久しぶりに向き合った顔は あの頃程の若さはなく それでも威厳だけは消えぬまま 笑い掛ける 果たされなかった約束を 今 『乾杯』 あれが最初で最後の酒だった
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